
あちらこちら in 新横浜
2023年1月、新横浜駅前公園の敷地内にて、約2週間にわたり実施された半ゲリラパフォーマンスです。
毎日15 時に、同じ場所で、「防災無線」からインスピレーションを受けた演奏を行いました。

日時:2023年1月19日〜1月31日
時間:毎15時
場所:新横浜駅前公園
MEMBERS
北澤華蓮(ヴァイオリン)
水野翔子(コントラバス)
北島友心(パーカッション)
島多璃音(鍵盤ハーモニカ)
中村みちる(鍵盤ハーモニカ/作曲)
篠原美奈(プロデュース)
春日知明(ビジュアル写真撮影、映像編集)
主 催|新横浜美術館
出演・制作|あちらこちら
協 力|新横浜町内会
Concept
Fase1. 「防災無線」が気になった理由
新横浜地区のリサーチを行なったところ、最も印象的だったのが町内会の皆さまから教えてもらった災害のお話と、夕方の音楽(防災無線の試験放送)が流れないことでした。
横浜市も、令和元年より緊急情報などの伝達に使用される「防災スピーカー」の設置が進んでいるそうですが、それ以前は県内で防災無線のない唯一の市区町村でした。
令和3年までに港北区を含む約190 箇所に設置されたと報告されていますが、一方で、夕方の音楽は今でも流れないことを知りました。「夕焼け小焼け」をはじめとした夕方の放送に馴染みのあった私たちはどこか寂しさを感じ、ならば、
あちらこちらが勝手に「防災無線」をやってみよう
という思いつきで始まったのがこのパフォーマンスです。


Fase2. 演奏した内容
パフォーマンス期間中演奏したのは、オリジナルのチャイムとささやかな「情報」です。
「情報」は、毎朝Twitterで呟いた140文字の文章を、4つの音を用いて即興的に表現しました。
本パフォーマンスの土台となるルールは、作曲家の中村みちるによって考案されました。そのヒントとなったのは、住宅地内でよく耳にする「こちらは廃品回収者です...」といった放送です。あの放送が耳に残るのは、大体4つくらいの決まった音高を、言葉のイントネーションに合わせて行き来しており、どことなくメロディアスな要素を持っているからではないか、と考えました。
そして、そのルールをもとに、日によって入れ替わる奏者が、各々の解釈で即興的に演奏しています。

2023/01/26
あちらこちらTwitterより
Fase3. 通行人たちの反応
私たちは、通勤、通学、移動、散歩中の通行人の皆さんが、どのような反応をするのかとても興味がありました。その実験としての場所に選んだ新横浜駅前公園の案内板の前は、ちょうど新横浜駅と日産スタジアムの間にある場所で、何か目的を持ってせかせかと歩いていく人が多かったように思います。
一番多かった反応は、私たちのことが見えていないかのように通り過ぎていく人。次に多かったのは、ちょっと気になっている人。反応はまちまちですが、一瞬立ち止まったり、チラチラと見てきたり、あるいは私たちのことを避けて道を通る人など。記録映像には、しっかりと立ち止まって見ている人も登場しますが、実際にはとてもレアキャラでした。
このような、様々な「目撃」の形を残すべく、記録映像としてまとめました。
